突発性難聴の原因についての考察
突発性難聴は突然発症してしまう。
また対応が遅れてしまうと、聴力の回復も遅くなると考えられています。
突発性難聴の一番の特徴は『原因不明』
なぜ難聴や耳が聞こえなくなるのかが、わかっていないことです。
聴こえの程度の低い音だけから高い音、全く聞こえなくなる聾の状態まで、症状の表現も様々です。
ただ耳の内耳という場所で起こっていることは確かで、年代も20~60代、片耳だけという非常に特徴的な病気と言えます。
突発性難聴の原因がなぜわからないのか?
一つに耳の構造が脆弱なことがあります。
耳は魚のエラが進化したものですが、進化の過程で無理をして聴覚を作ったとされています。
魚から人に進化する過程で脳が巨大化してしまった、スペースが少なくなったために、耳の神経、特に内耳を支配する神経には常に負担がかかり続けています。
高齢者が視覚、聴覚、味覚、嗅覚のどれが最も弱くなりやすいかと言えば、聴覚です。
障害は弱い所にでやすいので、耳の疾患には注意しなければなりません。
原因の2大候補
突発性難聴には原因の候補が2つあります。
『ウイルス感染説』と『内耳循環障害説』
他には内リンパ水腫、内耳窓破裂、アレルギー、ストレスなどがあります。
内耳循環障害説について
突発性難聴にはめまい、耳鳴り、耳閉感、難聴を伴うとされています。
同じような症状にメニエール病があり、これは内リンパ水腫が原因と断定されています。
メニエールの特徴はめまいや耳鳴り、難聴が繰り返し起こってしまうとされており、対して突発性難聴は耳鳴りとめまいが起こったとしても一時的なもので、繰り返し起こることはありません。
内耳のリンパが原因であればめまいや耳鳴りなどが繰り返し起こることが確実ですので、突発性難聴は内耳のリンパの問題は考えにくいとされています。
内耳循環障害は内リンパとも関係しますが、血栓や塞栓、出血、血管のけいれんによって引き起こされます。
突発性難聴が起こる主な年齢が高齢者に少ないことから、高齢に多く起こるはずに循環障害が原因ならば突発性難聴は高齢者に偏るはずです。 このような点から内耳循環障害が原因というのは疑わしい・・・
ウイルス説について
ウイルスを裏付けるようなものが見つかっていないのが現状ですが、風邪ひきとも関連していることから、聴覚にかかわる神経とウイルスの関係については研究がすすめられています。
まとめ
- 耳の構造はもともと脆弱なため障害がおこりやすい
- 突発性難聴の原因として『ウイルス説』と『内耳循環障害説』が存在する
- 原因が不明なことが特徴である
突発性難聴の鍼灸治療について