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プロフィール・経歴
はじめまして。
木もれび鍼灸院の院長、弓削周平と言います。
初めて当院を知られた方へ、木もれび鍼灸院の治療に対する考えや患者さんへの向き合う気持ちなどをお伝えするためにプロフィールページを設けています。
良かったら最後までご覧いただければ幸いです。
鍼灸と患者さんに向き合うきっかけ
~父の死と鍼灸~
京都の伏見の3人兄弟の末っ子に生まれ育った私は、小さいころから両親の肩を揉んだりするのが好きで、気持ちよかったと言われるのがうれしくてたまりませんでした。
人に関わる仕事につきたいと思うようになり、鍼とお灸のみで人を治すことが出来る鍼灸の不思議さに魅かれの鍼灸専門学校の門を叩きました。
19歳のときに会社経営していた父がうつ病にかかり、精神科にかかりましたが治らず、投薬だけの治療に嫌気がさし、病院にもいかなくなってしまっていました。
当時整骨院で働いていた私はうつ病になってから腰痛やひどい肩こりに悩まされていた父にマッサージやハリをしたりしましたが、まったく改善しませんでした。
そして1年後父は自ら命を絶ってしまうという最悪の結末になりました。
~うつ病は鍼灸で治るのか~
鍼灸の学校に通っていたのに何もできなかった自分の無力感に悩みました。
鍼灸で精神科疾患を治すことができる、と教科書には書いていましたが、職場の先輩や学校の先生もそんな鍼灸術を知りませんでした。
専門学校卒業後、カウンセリングの勉強や心理学の勉強もしましたが、根本的なアプローチはしていない。むしろ精神疾患に対しての有効な治療の糸口がないことに気付きました。
いくら勉強しても、治療糸口さえもつかむことができない。
「治すことが出来ないのだったら、もうこの仕事を辞めよう。別の仕事に就こう」と考えていた矢先に書店で買った一冊の中医学(日本では東洋医学と呼ばれる)の入門書に出会いました。
中医学の入門書通りに患者さんに鍼を打ってみると、劇的に変化したことにびっくりしました。治療効果に驚いたと同時に生半可な知識で鍼灸に携わることに恐怖心が芽生えました。
中国に留学して中医学を一から勉強しようと決意し、25歳で中国語も話せず、頼る人もいなかったのですが、単身中国へ渡りました。
半年間、遼寧省の国際交流学院で中国語を学んでから、吉林省の長春中医薬大学へ進学することができました。外国人は通常、留学生班に入れられ簡単な勉強しかしないのですが、中国人と同じ条件で勉強したいと直訴し、中国人学生と机を並べて授業を受ける事ができました。留学の5年間の間に身体を壊したり田舎に行って危険な目にあったりとに何度か死にかけました。中国人学生の友人にも支えられ、必死に勉強し無事に卒業することができました。
大学では古典から現代中医学だけでなく、西洋医学まで幅広く学ぶことができました。
日本では鍼灸などの伝統医学が経験や勘に頼った民間医療と低く見られています。
鍼灸はじめ漢方は古代の中国に発生した伝統的な医学なのですが、陰陽思想や五行理論など精密な理論に基づいた医学であり、決して経験や勘だけに頼ったものではないことを大学教育のなかで気づかされました。
鍼灸の適応できる疾患は非常に幅広く精神科だけでなく、内科や婦人科、小児科などにも実際に活用されています。
~日本鍼灸と中医学~
中医薬大学では「病」や「体質」をしっかりと分類し分析する訓練を積みます。そのため学生が大学を卒業してからすぐに治療ができるようプログラムが組まれています。
対して日本の鍼灸専門学校は試験勉強に終始しており基本的な「病」や「体質」を分類分析する知識が中医薬大学に比べて圧倒的に不足しています。残念ながら専門学校を卒業した学生はうつ病どころか肩こりさえも治すことができません。
日本鍼灸は明治時代に正当な医学ではないというレッテルを貼られ、慰安的な療術業という地位に貶められました。明治時代から現代まで大多数の鍼灸師が慰安的な治療に甘んじている中で一部の鍼灸師は伝統を守りながら細々と日本鍼灸の技を磨いてきました。
私は中医薬大学で学んでいる中で、中国人の学生だけでなく教授たちが、日本にも鍼灸師というものがいるということを全く知らないことに驚きました。日本人として日本鍼灸を学ぶ必要があると留学中から強く感じ、30歳になって日本に帰ってきました。
現在は「日本鍼灸」の技術と、「中医学」の理論とをミックスさせることにより、うつ病をはじめ精神疾患や内科疾患だけでなく婦人科や小児科疾患に対して、驚くような効果が得られることを日々臨床で実感しています。
なぜ鍼灸専門で施術をしなければならないのか?
父の死をきっかけに「うつ病」と「痛み」という病を長年研究してきました。
その為、木もれび鍼灸院ではうつ病をはじめ精神科疾患や各骨格の痛み症状を得意としています。
東洋医学は2000年以上途絶えることなく受け継がれてきた世界で唯一の医学です。
人は昔から痛みや精神の疾患に苦しんできました。
中医学や日本の鍼灸を学んでいく中で、精神と身体というものは切り離せないことを知ったからです。
精神だけ、身体の症状だけ、片方だけ追いかけても、どちらも治すことはできない。両方を診ることのできる広い視野が必要だということを東洋医学が教えてくれました。
腰痛や肩こりの根本原因に精神的な疾患が関わっていることがある。
逆に精神疾患に腰痛や内科的な痛みやツライ症状が原因になっている場合もある。
もちろん内臓疾患由来の痛みもありますし、筋肉や骨格由来の痛みもあります。
人の数だけ病の数もあります。
私は痛み症状を得意としていますが、中医学をベースとした木もれび鍼灸院の治療は様々な「病」に対応できます。 本当の意味での治療を追求した時に、東洋医学を体現している『鍼灸』でないと治せない病が多くある事に気づかされました。
鍼灸治療を通して本当に健康な身体と心を取り戻してほしい。 そんな気持ちで鍼灸のみに特化した『伝統はりきゅう専門の木もれび鍼灸院』をたちあげました。