最近の感覚では、カレンダーの中の名称の一部のように特に意識もせずに過ぎ去っていきますが、 日本では昔から、一年を四等分した春夏秋冬の他に、二十四等分した二十四節気と、七十二等分した七十二候という、細やかな季節の移ろいが取り入れられてきました。
この二十四節気と七十二候は自然の息吹に満ちた暦で、田植えや稲刈りの時期など農作業の目安になる農事暦でもあります。
現代人には関係ないよとおっしゃるかもしれませんが、ちょっと待ってください!
この暦には旬の食べ物や季節の花や鳥、その時季ならではの暮らしぶりのヒントが詰まっています。
また中国で生まれた、この暦。 中医学の観点からの人の身体の変化も感じ取ることのできる、暦です。
自然のリズム、二十四節気を通して感じてみませんか。
『立春』昔は新しい年を迎える特別な一日。
節分に恵方巻を食べた方も多いと思いますが、立春の前日が節分。
つまり古くは大晦日にあたる日ですね。 節分は立春の前日ですが、同時に『大寒』の最終日にもなり、寒さがピークになります。 「そういえば寒さが一段と厳しいなぁ」と感じた方はしっかりと季節を感じているわけですね。
福茶を飲んで福を取り入れてみましょう
『立春』に初めて汲んだ水を若水といって、健康や豊作、幸せを招く水とされています。
若水を神棚に供え、食事の支度や洗顔に使います。
若水で入れたお茶が福茶です。
お茶に結び昆布や小梅などを入れたもの。
水道の水でも、あらためて感謝の気持ちで受け取って、若水として福茶を入れてみてはいかがですか?
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春の身体の変化は・・・
春は植物が発芽したり、草木の成長が目に見えてスピードアップしたり、また動物が冬眠から目覚める季節。
春は生き物を活動的にさせる季節です。
人も自然界と同じように、春になると新陳代謝が活発になり、体内に溜った老廃物が外にでてきて、吹き出物や肌荒れ、口内炎、アレルギー疾患(花粉症やアトピーなど)が起こりやすくなります。
中医学では春の影響を一番受けやすい臓器は『肝』と考えられています。 『肝』は気血の巡りをよくする働きがあるのですが、春の影響をうけると、巡りがよくなりすぎて気分が高揚したり、めまいや目の症状(かゆみやドライアイなど)精神が不安定になってしまいます。
『立春』から始まる春の時期は精神的な影響を受けやすい季節といえます。
春の食養生
春は新陳代謝が活発になる季節。
同時に老廃物を排出するチャンス!
中国の宋の時代に有名な薬膳で「山家三脆(さんかさんぜい)」というものがあります。
山家三脆(さんかさんぜい) 三脆とは、クコの芽、タケノコの穂先、春しいたけの芽を使って作る薬膳。 |
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三脆以外でも日本ではわらびやフキノトウ、タラの芽、せり、ホウレン草などの春野菜が手に入りやすい食材。
吹き出物や肌荒れの原因となる老廃物を排出する薬効がありますので、取り入れてみてはいかがでしょうか?
春先気分が乗らない時に取り入れたい食材
木もれび鍼灸院では香りの強い食材をお勧めしています。
シソ・三つ葉・春菊・山椒・わさび・柑橘類などの食材は滞っている気を流す働きがあります。
香りを楽しみながら食事するとさらに効果が高まります。
「目の違和感や気分が塞ぎがち」と思ったら、香りのある食材は効果ありですよ!
『立春』木もれび鍼灸院お勧めのツボ
五臓六腑の一つ『肝』は春先の影響を一番受けやすい臓器。
『肝』が病むとイライラ感や気分も塞ぎがちになってしまいやすくなります。
そんな『肝』の病に一番効くのは「太衝」というツボです。
滞った『肝』の気血を流してくれてり、昇りすぎた気を降ろしてくれるツボです。 |
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ストレスを感じていると思ったら軽く押さえてみましょう。きっと楽になるはず。