体験談
喘息の歴史
喘息は2500年ほど前には存在が確認されています。
キリスト教の聖典の聖書にも「喘ぐ」という言葉がありますし、東洋医学の原典である黄帝内経には実際の「喘息」の病について詳しい項目があります。
東洋、西洋問わず喘息の歴史は古く、広く知られてきた病です。
喘息の原因(西洋医学)
喘息が発生するきっかけとして明確なものは環境因子と呼ばれる空気中のチリやほこり、ゴキブリ、ペットなどによる「アレルギー反応」です。
「アレルゲン」のある環境と遺伝的な要素はお互いに関係しあっているので発症には個人差があります。
日本を含めて先進国と呼ばれる国々で喘息患者が増え続けている原因は未知とされていますが、仮説として人は乳児期から喘息発症の因子を持っており、乳児期から小児期の期間に細菌やウイルス感染によって喘息の発生が抑制される可能性が指摘されています。
逆に清潔すぎる環境や早すぎる時期のワクチン接種や抗菌薬の使用は喘息発作の一因となり先進国での喘息患者の増加の原因であるという仮説があります。
喘息について東洋医学の考え方
東洋医学では喘息を「喘」と「哮」に分類しています。
簡単に言うと「喘」は喘鳴を伴わない喘息症状。「哮」は喘鳴を伴う喘息症状といえます。
【喘息】の「証」と「治則・治法」
東洋医学の治療には必ず「証」を明らかにする必要があります。「証」を決定することで「治則・治法」や「ツボ・漢方」も求めることができます。
喘
- 風寒閉肺
- 風邪によって引き起こされ、透明な痰が気管に引っかかります。
- 風熱犯肺
- 風邪によって引き起こされ、黄色い粘っこい痰が気管に引っかかります。
- 表寒裏熱
- 風寒閉肺の症状とともに、裏熱症状の粘ついた痰が気管に引っかかります。
- 痰濁阻肺
- 粘っこい痰が気管が引っかかりますが、他の証と比べても痰の量が多いのが特徴です。
- 気欝傷肺
- 喉の閉塞感とともに精神的な抑うつ感も見られます。
- 肺気陰両虚
- 気虚症状と陰虚症状のどちらがメインかによって症状は変わりますが、慢性的な呼吸困難や呼吸促迫があり、運動すると喘息症状は悪化します。
- 腎不納気
- 特に吸気時の困難が特徴となります。
- 腎虚痰阻
- 痰が多い症状とともに腎陽虚の症状がみられます。
- 陽虚水乏
- 呼吸困難とともにむくみが見られます。
哮
- 寒痰阻肺
- 白色で粘っこく大量の泡状の痰が発生し、チアノーゼが見られます。
- 熱痰阻肺
- 黄色で粘っこい痰が気管にとどまり排出することができない状態です。
- 寒熱錯雑
- 肺に炎症がある状態で、さらに風邪が侵入したことで発症します。
- 陽虚痰阻
- 呼吸困難とともに息切れ、白い痰が気管に広がります。
- 陰虚痰阻
- 陰虚症状とともに黄色く粘っこい痰が気管から肺に広がる症状です。
- 寒痰阻肺
- 白色の痰が広く気管に広がり、実寒の症状が見られます。
- 陽虚痰阻
- 白色の痰が広く気管に広がり、虚寒の症状が見られます。
- 熱痰阻肺
- 黄色い粘っこい痰が気管を塞ぎ、実熱の症状が見られます。
- 陰虚痰阻
- 黄色い粘っこい痰が気管を塞ぎ、虚熱の症状が見られます。