月経の正体
月経の正体は、血液ではありません。
子宮の内膜なのです。子宮内膜が、はがれ落ちる時に出血が起こるので、月経=出血のように見えるわけです。
子宮内膜というのは、子宮体部の内側にできる膜のこと、1ヶ月の間に4mmくらいの厚さになります。
月経ではがれ落ち、1ヶ月のうちにまた厚くなり、また月経ではがれ落ちるという月ごとの変化を繰り返しています。
昔より今のほうが月経の不調が出やすい
昔の女性は若くして結婚して子供をたくさん産みました。月経回数は生涯で50回で程度だったといわれます。
一方現代の女性は晩婚化し、生涯に産む子供の数も減っています。
生涯の月経回数はいまでは450〜500回までに増えています。
同時に月経のトラブルも昔に比べて増えています。
月経をコントロールする女性ホルモンは精神的なストレスや環境ホルモン、食品の添加物の影響を受けやすい特徴があります。
女性ホルモンの分泌がうまくいかなくなり月経のトラブルが起こりやすくなっているのです。
1ヶ月のからだのリズム
1ヶ月は2つに分かれる
1. 月経から排卵までの時期=卵胞期
およそ14日ですが、短くなったり長くなったりすることもあります。
月経がおわり、排卵までのあいだは、エストロゲンが優位に働いています。
体調がよく、元気いっぱい、肌の調子も一ヶ月のなかで一番いい時期。
排卵期が近づくにつれて、おりものがだんだんふえてゆきます。おりものといっても膣がつくるおりものとは違い、透明なおりものです。
頸管粘液といって、子宮の入り口、細いトンネルの部分から出てくるものです。
排卵直前になると、卵のしろみのようなドロッとして、ねばっこくて糸を引くようなものになってゆきます。 排卵の時には、少量の出血や下腹部の痛みがあることがありますが排卵の出血は病気ではありません。
2. 排卵日から、月経の前日までの時期=黄体期
12〜16日と、比較的きちんと決まっています。
排卵が終わって、次の月経が近づくと、プロゲステロンが優位に働きます。
眠くなる、だるくなる、頭がぼーっとする、いらいらする、便秘する、むくみが出る、何となくお腹が張る、ニキビが出る、外性器がかゆくなる、チョコレートなど甘いものが食べたくなる、乳房が張ったり軽い痛みがある、体重が増える。などの症状がでる場合があります。
このような状態は、月経前症候群(PMS)と呼ばれていますが、病気ではありません。
PMSは、思春期には少ないのですが、からだが成熟した30代頃から強くなってくることがおおいです。
月経をコントロールしているのは、あなたのアタマ
「卵胞期」と「黄体期」
一ヶ月の2つのサイクルを操っているのは脳の視床下部という部分
思春期になると視床下部から“ゴナドトロピン放出ホルモン”というホルモンが出はじめます。
すると脳下垂体が刺激されて“卵胞刺激ホルモン”と“黄体化ホルモン”という2つの「ゴナドトロピン(女性ホルモン)」がでてきます。
脳下垂体からでる2つの「ゴナドトロピン」が子宮内膜を分厚くさせたり、排卵を起こさせたり、卵巣から卵胞ホルモンを出させます。
子宮内膜が1ヶ月分の厚さになると視床下部と脳下垂体から「ゴナドトロピン」がでなくなり、卵胞ホルモンもストップすることで、子宮内膜が溶けて月経がはじまります。
月経は脳から出る女性ホルモンにコントロールされている
視床下部は月経だけでなく食事、性行動、睡眠、感情の働きもコントロールしています。
脳下垂体は身体のあらゆるホルモンバランスをコントロールしています。
無理なダイエットや睡眠不足、日常のストレスなどが月経の様々なトラブルに関係しているのも、この脳と月経の深い関わりからわかります。
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